http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20160521000108

金川晋吾(かながわしんご)さんという写真家をご存知ですか?

彼が撮る写真は、お父さんなのですが、そのお父さんがちょっとユニークで失踪癖があると言うのです。

その金川さんのお父さんの失踪がきっかけでお父さんと向かい合い、とった写真集が三木賞を受賞した「father」

ここでは、写真家の金川晋吾(かながわしんご)さんのプロフィールと、写真集「father」やお父さんについてまとめています。

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金川晋吾さんプロフィール

金川晋吾

http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20160521000108

  • 名前:金川晋吾(かながわしんご)
  • 生年月日:1981年
  • 年齢:36歳(2017年4月現在)
  • 出身地:京都府長岡京市
  • 職業:写真家
  • 出身大学:神戸大学 発達科学部人間発達科学科 卒業
  • 東京藝術大学 大学院美術研究科 先端芸術表現専攻 博士課程 終了
  • 2006年 第26回写真ひとつぼ展入選
  • 2007年 第28回写真ひとつぼ展入選

大学では、映画部と写真部に所属し、最初は映画に興味があったそうです。

写真を本格的に開始したのは、大阪のIMI(インターメディウム研究所)で鈴木理策さんに出会ったことがきっかけでした。

・代表作「father」では、失踪を繰り返す実のお父様を取り続けた事で話題になりました

写真集『father』について

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この「father」と名付けられた写真集は、若手の登竜門と呼ばれる三木淳賞を受賞し、高い評価を得ています。

写真集[father]の内容をちょとだけネタバレすると以下のようになっています。

ある日突然いなくなり、
しばらくのあいだ姿が見えなくなる。
そのような「蒸発」を繰り返すことで、
私の父は何もない人間になった。
何もない人間になること。
それはおそらく父自身が望んだことだ。
何もない人間になれば、
自分のことについても、
自分のことを考えてくれる他人についても、
考える必要がなくなるからだ。
・・・・・・・・・・・・・
私の父は寒いときには震えることはすると思う。
だが、「なぜ震えているのか」と尋ねられても、
父は、「わからない」と答えるだろう。
本当にわからないのか、
それともただ考えたくないからなのか、
それは他人からはわからない。
おそらく、本人もわかっていない。

写真集の口コミ・感想レビュー

写真集とはいっても、父を撮る息子の想いというのでしょうか?

フィルター越しにかなり感情移入できる作品になっているようで、風景を移したものや、第三者を撮影したものとは少し違ったものまで写り込んでいるようです。

●fatherとタイトルがついているのに、表紙の写真は異国で出会った旅人を撮った写真みたいに見えた。
内容を見てみたら失踪しているお父さんを撮影したものとのこと。
著者の日記を読むと、失踪癖のある父親をわりと楽観的に捉えているのが逆にリアルで面白かった。

●この写真集を手に取り、撮影者が撮ってきた写真を見て、彼がしたためた日記を読み終えた後には、何とも言い難い感情を覚えた。また、幾度と通ったfatherの写真展だけではつかみ切れなかった、撮影者の父に対する想いを何となくつかんだような気がする。

それは、家族という枠組みの中での父と息子の関係性、そして息子が最初に出会った同性の他者との関係性をうかがうような視点で、その父を眺める中で生まれた感情のふり幅の様なものかもしれない。

個人的な事を他者にさらす必要があるのか、それは意味がある事なのかという葛藤は、私自身も常々考える事ではある。けれども、一人の人が語る個人的なストーリーは、とても強烈な印象を人々に問いかけ、それぞれの人が抱える”何か”をあぶり出すような気がする。そして、私自身も身の内に感じる父について考えた。

写真の中に映る被写体や記録としての文章は、すべて金川晋吾氏に関わる個人的な事。それは一般化したり、普遍的なものの対極かもしれないが、そこに息づく撮影者の戸惑いや、苦しみは、大きな問いかけをすると思う。

金川晋吾さんのおとうさんについて

金川さんお父さん01

http://jp.vice.com/art/newage-photographer-14-shingo-kanagawa

この「father」のモデルになっている、金川晋吾さんのお父さんって具体的にはどんな方なのでしょう?

上記のしゃしんがそのおとうさんなのですが、、なかなか渋いイケメンお父さんです。

もともとは、機械設計士をしていた、普通の良いお父さんだったようです。

自営もしていて、自宅には、設計のためのコンピューターもあったそうですが、いつの間にかその仕事も辞めていたそうです。

金川さんが小学生だった頃は、まだ機械設計の仕事をしてましたが、中学の頃、蒸発を繰り返すようになって、この仕事を辞めて他のことをやり始めた記憶があると。

人当たりも良く、サッカー少年団のコーチもしていた方なので、優しくてスポーツマン。

それが、金川さんが中学、高校の頃に失踪していて、失踪すると、一週間から一ヶ月ほど帰ってこないことが多かったとか。

家庭の中で大黒柱のお父さんが失踪って、ものすごく大変で家計は大丈夫?とおもってしまうのですが、意外にも経済面では困っていなかったのだそうです。

無職の期間が続くということもなかったそうで、失踪し蒸発しても、戻ってきたら勤め先から職場に戻ってくれとお願いされたり、本人が自ら辞めても、次の仕事がすぐ見つかっていたみたいだと、子供の頃の金川さん経由の記憶なので、現状ははっきりわかりませんが、「お金がないから大学にいけない」という心配もなかったそうで、なんとか経済的にはまわっていたようですね。

失踪の原因は、女性問題やギャンブルなどではなく、金川晋吾さんによると、おそらく誰とも接触したくなかったんだろうとおっしゃっています。

そんな父と晋吾さんは、いつしか疎遠になっていたそうです。

ところが、2008年に父が久しぶりに失踪したことをきっかけに、父を撮りながら父と関わることを選択し、今回の写真集「father」ができあがりました。

まとめ

ここでは、写真家の金川晋吾さんのプロフィールと写真集「father」についてまとめています。

2017年度の金川晋吾さんの個展・写真展の日程を探ってみたのですが、すでに終わっていて、原時点では今後の予定はまだ未定のようです。

息子に写真を撮られるって、気恥ずかしくはなかたのかな?とかてれくさくはなかったのかな?とか思いながら写真集のお父さんの表情に見入ってしまっています。

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