和歌山県すさみ町の長泉寺(ちょうせんじ)と住職の中垣勝利(なかがきかつとし)さんがNNNドキュメントで放送されます。
長泉寺(ちょうせんじ)は臨済宗妙心寺派のお寺で、長い間住職のいない「無住寺」となっていたお寺です。
現在、日本に75,000ある寺のうち、過疎・仏教離れ・後継者不足などから、3分の1は無住寺院で、20年後には更に4割減るといわれているそうです。
番組ではそんな「無住寺」となっていた長泉寺(ちょうせんじ)と住職の中垣勝利さんが地域の方たちに受け入れられ、地域が活性される様子のドキュメンタリー番組です。
ここでは、和歌山県すさみ町の長泉寺(ちょうせんじ)の場所や住職の中垣勝利さんが僧侶になった、シニア僧侶プログラムについてまとめています。
目 次
中垣勝利さんが長泉寺住職になった経緯
中垣勝利さんは、臨済宗妙心寺派の「シニア世代僧侶育成プログラム」という、仕事をリタイアした高齢者向けの出家プログラムを終了して住職としてこの長泉寺に住職としてやってきました。
中垣勝利さんが長泉寺に入るに当たっては
- 「キチンと修行していない者を僧侶として寺に入れていいのか」
- 「シルバー世代の促成僧侶に寺の管理などできるのか」
など、地域では様々な不安や懸念があったようです。
確かに、先祖代々長い間、そこで生まれ育った方々のなかに、どこの誰とも知れない人が入ってくることに対しては、かなりの抵抗があっただろうと思います。
それでも、無住寺院で荒れ放題になっていた長泉寺のだったお寺の境内はきれいになって、電気が灯り、里には鐘が響き出しました。
中垣勝利さんが長泉寺の住職になったことで、地域からお寺が消えることによって生まれる、コミュニティーの崩壊やその地域の文化の喪失、またそこで育まれ受け継がれてきた文化の喪失も食い止めることができつつあるようです。
その証拠に、地域の方々との餅つき大会や自家菜園づくりの様子は、とても生き生きとして、住職も地域の方々も楽しそうです。
長泉寺(ちょうせんじ)の住所・アクセス
長泉寺のある、すさみ町(すさみちょう)は、カツオ漁や「ケンケン船」で知られており、近世には熊野地域一帯の中心部となったこともあるようです。
海沿いの海岸では夏場、多くの海水浴客で賑わいますが、長泉寺のある場所はそのずっと上流、山の方です。
・住所:〒649-2603 和歌山県西牟婁郡すさみ町小河内592
・アクセス:県道38号選経由車で32分
シニア僧侶プログラムについて
中垣勝利さんは、もとから住職としてお寺に在籍していたわけではありません。
「シニア世代僧侶育成プログラム」といって、定年退職したり、子どもが独り立ちして時間ができたシニア世代の人々が、人生経験を活かし、僧侶として地域社会に貢献していくためのプログラムを終了して、第二の人生として僧侶になっていらっしゃいます。
このプログラムを学校形式で行っているところは、臨済宗妙心寺派妙心寺で、京都に総本山のあるお寺です。
併設の学校法人「正目短期大学」の中のカリキュラムの1つで、禅やお経を始め宗教に就いて学ぶ短期大学として、高校を卒業した方が行普通の短期大学の中の1つです。
女性のためのプログラム(尼さんコース)もある
またこちらの短期大学では、「シニア世代僧侶育成プログラム」の他に、女性のために特化したプログラムも用意されています。
いわゆる尼さんです。
女性だって、「お坊さん」できますよ!
僧侶は男性の仕事だと思っていませんか?
お釈迦様の教えは、本来イキイキと生きるための教えで、その教えを広める所が日本ではお寺です。
お坊さんの仕事は、法事やお葬式のお世話といういめーじが強いのですが、困った時に相談に乗ってくれる人でもあります。
この女性のためのプログラムは、
- 働く女性としてのキャリア
- 妻として、母として培ってきた経験
を活かして、地域貢献しようというプロジェクトです。
プロジェクトの実績など
このプロジェクトは、妙心寺派「第二の人生」プロジェクトとして平成24年4月にスタートしています。
これまでの実績は、平成28年12月末日で以下のような内訳になっています。
- 得度者:55人(内、7人還俗)
- 修行に入った人:38人(内、13人中止)
- 前堂職取得:8人
- 住職:2人
- 看坊職、留守役に入寺:8人(内、2人中止)
シニア僧侶プログラムや女性のためのプログラムをやっているのは正眼短期大学です。⇒ 正眼短期大学
臨済宗妙心寺について
シニア僧侶プログラムや女性のためのプログラムを提供している、学校法人正眼短期大学の経営母体が臨済宗妙心寺です。
各種法要のほか、
お寺で行われる様々な行事として、
- 禅会
- 法話のつどい
- 御詠歌
- 写経会
などが普通に行われています。
住所: 京都府京都市右京区花園妙心寺町64
臨済宗妙心寺派とは
正法山妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山
京都市右京区には「花園」という地があり、昔、この地域には公卿の邸があり、お花畑があって、四季折々に美しい花が咲き乱れていたことから「花園」と呼ばれるようになっていたそうです。
この地をこよなく愛し、ここに離宮を構えて、世の中の平和を願われた法皇さまが「第95代天皇・花園法皇さま」です。
花園法皇さまが、この花園の離宮を改めて禅寺にされ、それが現在の臨済宗妙心寺です。
現在の妙心寺は、在籍僧数は約7千人を数え、塔頭46ヶ寺、末寺は日本をはじめ世界各国にわたり3,400ヶ寺余りです。
関連の学校機関として、花園大学、花園高校、花園中学校、洛西花園幼稚園などがあります。
⇒ 正法山妙心寺
まとめと感想
ここでは、和歌山県すさみ町の長泉寺(ちょうせんじ)の場所や住職の中垣勝利さんが僧侶になった、シニア僧侶プログラムなどについてまとめています。
最近、限界集落を特集する番組などが妙に気になってしまいます。
⇒ ムツばあさんと秩父山中の場所やドキュメンタリーまとめ:BSプレミアム
また、別サイトになりますが、奈良にもステキな尼寺があります。
⇒ やまと尼寺(奈良・音羽山観音寺)精進日記霜月・収穫の秋は大忙し