トリーチャーコリンズ症候群の石田祐貴(いしだゆうき)さんが、先日、朝日新聞のTOPで取り上げられて注目を集めていらっしゃいました。

石田祐貴さんは、書籍「見た目問題」という「夢をかなえるゾウ」「人生はニャンとかなる! 」「スパルタ婚活塾」などの著者・水野敬也氏の書籍の中に登場する人物の中のお一人です。

この書籍は、NPO法人マイフェイス・マイスタイルの協力で、見た目に傷やアザなどの症状を持つ「見た目問題」の当事者の方たちと会話を重ね、外見から生まれる仕事や恋愛の問題をどのように乗り越えていったのかがインタビュー形式で綴られた本です。

トリーチャーコリンズ症候群とは、垂れ下がった目が特徴で、症状があるのは1万~2万人に1人とも、5万人に1人とも言われています。

ほおやあごの骨が未発達、もしくは欠損した状態で生まれてくるので、顔の筋肉を支えることが出来ず、垂れ下がったように見えるのです。

ここではそんな、トリーチャーコリンズ症候群、石田祐貴(いしだゆうき)さんについてまた書籍・「見た目問題」についてまとめています。

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石田祐貴さんのプロフィールと経歴

石田祐貴

http://www.asahi.com/articles/photo/AS20170410002948.html

  • 名前:石田祐貴(いしだゆうき)
  • 年齢:24歳
  • 大学:筑波大学大学院在学中

トリーチャーコリンズ症候群の石田さんは、垂れ下がった目が特徴で、産まれてきた時に、ほおやあごの骨が未発達、欠損した状態で生まれ、上唇は裂けていたそうです。

また、耳の穴がないために聴覚障害を併発し、今は頭に埋め込んだ金具に補聴器をつけているのだとか。

子どもの頃は「変な顔」や「宇宙人」と言われ、指をさされたり、笑われたりしたこともあって、中学校の時には学校へ通えなくなってしまいます。

見た目で悪く言われることも嫌だったそうですが、耳が聞こえづらいので会話に入ることができず、人との間に壁を感じ、中学2年の終わりから中学3年までは、週に1回ほどしか通学できなかったそうです。

高校は聴覚特別支援学校に通学。

手話でコミュニケーションをとるようになったことで、人との壁も感じなくなり、『ダメだったら退学すればいい』という親の言葉に背中を押され、一般の大学にも進学。

入学後は、僕のような人には話しかけづらいと思うので、『自分から話しかけよう』と、覚悟して、その結果、多くの友人ができたそうです。

もちろんみんなと友達になれたわけではなく、避ける人もいたようですが、それは何処にいても同じですよね。

また、アルバイトをしようと思ったコンビニは5店以上落ち、接客は向いていないと思って、飲食店の厨房(ちゅうぼう)で働いたそうです。

高校生や大学生ってまだまだ成人するかしないかの年齢です。

自分をまるごと受け入れて、学生生活だけではなく、アルバイトなどを通して、社会と積極的につながろうとする強さや勇気って素晴らしいと思えるし、どこからわ湧いてくるのだろうとさえ思ってしまいます。

私だったら、ずっと悲観して家の中から外へ出ていくことなんか出来ないように感じてしまいます。

石田さんの現在は、筑波大学大学院で障害について研究していらっしゃり、将来の夢は、研究者か学校の先生になることだそうで、石田祐貴さんだからこそ、子どもたちのためにできることがあるとおっしゃっています。

障害がある子に教えるならロールモデル(手本)になれるし、健常者の子なら僕の存在自体が社会を考える素材になる

また、プライベートでは、恋愛も結婚も普通にやっていきたいとおっしゃる石田祐貴さんですが、人として当然の願望ですよね。

「結婚はしたいです。恋愛なんて縁がないと思い込んでいましたが、高校の時、彼女ができました。『内面を好き』と言ってもらい、見た目がすべてじゃないと知りました。ただ、結婚は相手のご両親の理解などハードルはあります。子どもに遺伝する可能性もあります。遺伝しなくても、僕のせいで子どもがいじめられないか不安です」

ただ、このトリーチャーコリンズ症候群の発症ルートは遺伝性のものなので、子供を授かることに対しては、かなり慎重にならざるを得ないのかなと思います。

石田祐貴(いしだゆうき)さん自身が経験していらっしゃるからこそできるサポートもあるとは思うけど、その状態を受け入れてくれるかどうかは、その子自身にかかってきます。

その時期が来た時に、世間が暖かいものになっていれば良いのですが。

トリーチャーコリンズ症候群について

トリーチャー・コリンズ症候群とは?

トリーチャー・コリンズ症候群とは、発見者のエドワード・トリーチャー・コリンズにちなんでつけられた病名で、いくつかの奇形症候群(ナーガー症候群、ネイガー症候群)の一種とされています。

数年前には、トリーチャーコリンズ症候群の重症な例として、ジュリアナウェットモア(Juliana Wetmore)さんという少女が、メディアに取り上げられたことがあってご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

また日本でも昨年、山川記代香さん、という方がテレビの全国版で放送されたことにより大きな注目を浴びた病気でもあります。

別サイトに飛びます⇒ 山川記代香さんと5万人に1人のトリーチャーコリンズ症候群について:NNNドキュメント

トリーチャー・コリンズ症候群は、顔の頬骨、顎骨がない病気で、骨が歪んでいたり、欠損しているために顔が歪んだように見える病気で、骨が欠損していたり成長しなかったりするので、聴覚障害や呼吸障害などの症状を併発する場合もありますが、通常は顔以外の障害はないといわれています。

発症率は、5万人に1人の確率ともいわれていて、日本でも同じ確率で発症します。

原因と発祥のメカニズム

トリチャーコリンズ症候群

引用:ウィキペディア

トリーチャー・コリンズ症候群は、染色体の異常や変異が原因とされており、発症ルートは2つです。

  1. 家系に発症者がいる場合 — 遺伝性で2分の1の確率
  2. 家系に発症者がいなかった場合 — 孤発性と言われる染色体の変異

上記の図が示すとおり、1/2の確率という、かなり高い確率で発症するようで、潜在的に変異染色体を持っていれば、自分が発症していなくても、子供や孫が発症するリスクがあり、発症者が子供を産んだ場合は、子供、孫、またはひ孫がトリーチャーコリンズ症候群を発症する確率はかなり高いようです。

トリーチャーコリンズ症候群の症状は主に8つ

トリーチャーコリンズ症候群の症状は、以下のように主に8つあります。

1.下顎の形成不全
下顎がなかったり小さいために、歯並びが乱れてしまいがちです。

2.言葉の発音がうまくできない、喋れない
口の中に十分な空間がない場合は、滑舌が悪く、言葉が舌ったらずのように聞こえたり、上手く発音できないことがあります。
重度の症状では、手話での会話が一般的です。

3.口唇裂、口蓋裂
口唇裂は、上唇から鼻の穴にかけて裂けてしまっている先天性の疾患です。口蓋裂は、上の歯茎や口腔内上辺が裂けている場合です。

4.外耳奇形
耳たぶが、潰れているように見えたり、耳たぶの形をしていない場合もあります。

また、石田祐貴さんのように、ふさがっている場合も多く、耳が聞こえないこともあり、この病気に多いのが難聴を一緒に併発する事です。

5.下眼瞼欠損、下睫毛欠損
下まぶた、下まつげがない状態です。目が垂れ下がっているように見えるのも大きな特徴の1つです。

6.後鼻孔狭窄
鼻が押し潰れたような形で、鼻の穴がふさがっている場合もあります。
両方の鼻穴が塞がっていたり、鼻がきちんと形成されていない場合は、呼吸を最優先させるために喉に穴を開けて、気道を確保します。
それから、成長して手術できる年齢になったと判断されてから、鼻の形成をします。
7.耳介前毛髪変位
髪の生え際が変位して、ほおのあたりまで髪の毛が生えている場合もあります。

8.頬骨がない
頬骨がないために、眼球が垂れ下がり、目が外に広がったように見えます。

石田祐貴さんも、今までに受けた手術は10回以上で、小学1年生から4年生までは、春休みと夏休みのたびに受けていたそうですが、今後は手術を受けるつもりはないそうです。

そのことについて、以下のように語っていらっしゃいます。

「手術で『普通の顔』を手に入れたいと思っていた頃もありました。でも劇的な変化が望めるわけではない。今も鏡を見て、『この顔じゃなかったら……』と落ち込むこともあります。死ぬまで悩み続けるでしょう。でも自分の力で変えられるものではないので、『割り切ろう』と考えています」

「顔ニモマケズ」

石田祐貴(いしだゆうき)さんが注目を集めるきっかけになった本がこちらの

「顔ニモマケズ」です。

顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語

アマゾンのサイトから、口コミのレビューを幾つか抜粋してみました。

口コミ・評判・レビュー

●見た目に症状を持つ当事者です。
小さな頃から人と違うことに対する違和感を感じながらも、なんとなく「見た目を気にすることはダメなことだ」と思いながら大人になりました。見た目に悩んでいた小さな頃の私に、私の将来を何度となく心配したであろう母に読んでみてと渡してあげたくなる本です。
見た目に症状を持つ人、そうでない人にも誰かの何かに光を射すそんな本だと思います。
9人の当事者に寄り添った写真も素敵でした。
タブーを恐れず「見た目問題」にチャレンジしてくれた水野敬也さん、ありがとう。
そして、「見た目問題」をないものとせず概念を作り、声をあげ続けているマイフェイスマイスタイルさん、ありがとう。

●リンパ菅腫、網膜芽細胞腫、口唇口蓋裂、アルビノといった、疾患が元で見た目に問題を抱える、当事者9名に対するインタビューです。

病気や障害を取り扱う場合、どうしてもお涙頂戴になりがち。実際、メディアは分かりやすい「感動ポルノ」を押しつけたがります。しかし、本書からは、そういった傲慢さを感じず、ユーモアとリアリティーのバランスの良さに好感を持てました。

それは、「見た目問題」解決に向けて、10年にわたり取組みを続いてこられた、NPO法人マイフェイス・マイスタイルと、紹介された9名の語り手による「誰もが自分らしい顔で、自分らしい生き方を楽しめる世の中にしていこう。」という志。そして、彼らの思いを汲み取り、普遍的な価値として届けることができる、ヒットメーカー水野氏の人間性の賜物だろうと思いました。

いじめ、恋愛、対人関係、就活、手術など、見た目の症状が起因する困難に、語り手が、どう向き合ってきたか。どう向き合っていくのか。強がりでもなく、正直なストーリーは、同じ症状を抱える読者にとって、希望になることでしょう。ちなみに本書は、小学生でも読めるよう、漢字にふりがなを付けています。

印象的なのは、水野氏が何人かのインタビューで行った最後の問い。
「症状がある人生とない人生。どちらかを選べるとしたら、どちらを選びますか?」

それぞれの深みのある答えは、読んでのお楽しみですが、見た目重視の世の中で、見た目と向き合い続けるからこそ光る、しなやかな強さに、勇気をもらいます。

また、この書籍を読むことで自分を見つめたり、振り返ったりされている方も多いです。

●自分との接点を見つけながら読む

ひとつひとつのインタビュー後記やまとめが、自分の考え方や生き方の糧にもなりそう。閉鎖的で排他的な社会でなくなればいいなぁ。少しずつでも。自分の中からも。

●自分が恥ずかしい

自分が恥ずかしい。こんなにも恵まれているのに、全く感謝の知らない恥知らずな人間でした。本当に恥ずかしい。

この書籍を出版した、自己啓発本で知られる作家の水野敬也さん(40)自身もまた、10代の頃に自分の顔が醜いと思い込む醜形恐怖症に悩んだ経験がおありで、「外見が幸せを左右するのは問題」と考えていたそうです。

そしてこの著者印税は、見た目問題の当事者を支援するNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」に全額寄付されることになっています。

 NPO法人「マイフェイス・マイスタイル」

 

まとめ

ここではトリーチャーコリンズ症候群について、そして石田祐貴(いしだゆうき)さんのプロフィールや書籍・「見た目問題」についてまとめています。

体の中の見た目の悪さは服で隠すことができるけど、顔はかくすことができません。

5万人に一人の発症と言う割には、それほど町でお見かけすることもなく、石田さんのように人前に出る方って本当にまだまだ少ないのだろうと思います。

書籍のレビューにもあるように、私自身もふくめて、閉鎖的で排他的な社会でなくなればいいなぁ。と強く思いました。

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