佐藤亜沙美さんは、本の表紙の挿絵などをデザインするブックデザイナーとして、本の表紙以外にも、有名アーティストのCDジャケットのデザインや帯など、表紙を飾るありとあらゆるデザインを手がけていらっしゃいます。
普通のデザイナーって、個性が強いものが多く、挿絵を見ただけで誰の作品だ1と見分けることが出来るのですが、佐藤亜沙美さんのブックデザインは七変化。
その本や中身によって、イメージがガラリと違います。
そんなブックデザイナーの佐藤亜沙美さんが9月5日のセブンルールの主人公なのですが、佐藤亜沙美さんのご主人は、なんと芥川賞受賞作家の滝口 悠生(たきぐち ゆうしょう)さんだと言うではありませんか!
なのでここでは、ここでは、佐藤亜沙美さんと芥川賞作家の夫・滝口悠生(たきぐち ゆうしょう)さんお二人のプロフィールや馴れ初めについて、また作品についても調べてみました。
目 次
佐藤亜沙美さんのプロフィールと経歴
プロフィール
- 名前:佐藤亜沙美
- 生年月日:1982年
- 出身地:福島県
- 夫:滝口 悠生 (芥川作家)
経歴
子供の頃から紙や絵が好きだった佐藤亜沙美さんは、高校を卒業すると共に上京し、グラフィックデザインを学ぶためにデザイン学校へ入学するのですが、型にはまることが好きではなかった佐藤さんは、授業に手応えを感じることができずに1年で中退してしまいます。
佐藤さんがデザインをやりたいという気持ちは本当に強かったようで、学校をやめたその翌日から、印刷会社の広告制作部で働き出したとうほどの行動力でした。
現場で通用するまでって、かなり時間もかかります。
しかもまだ19歳だった佐藤さんは社会経験もありませんから「4年間は修業を積もう」と決意して、2年間はそこで努力されたそうです。
その経験の中で、イメージしていたものが広告として仕上がることはないことを知ったそうです。
手間や予算などの関係でしょうね。
そこで、また、時分は何がやりたいのか?という感情と向かい合うことになるのです。
そんな時、
梶井基次郎さんの「檸檬」という本を読んで、本屋さんに異物を置く感覚に共感したことがきっかけで、やりたいことは「本にかかわることだ!」と感じたそうです。
このことがきっかけで、出版社のデザイン部署で働きながらデザインの勉強をはじるのですが、やりたいことを見つけた途端に、それに向かって方向チェンジするスピードも思い切りも、本当に潔よすぎるくらいです。
ちょうどその頃に、ブックデザイナーの祖父江慎(そぶえ)さんのブックデザインに心を打たれ、時分の作品を見てもらうために講演会などのたびに足を運び、感想を求めたりもしていたそうなんですよね。
本当に、このパワフルさと行動力の半端なさはちっとも嫌味ではなくある意味カッコイイですね。
そんなある日、たまたま六本木で祖父江さんにバッタリ会った時に、すかさず「何か手伝えることはありませんか?」とアピール。
この、街でバッタリがきっかけになって、今度は祖父江慎さんの会社、「コズフィッシュ」への入社をすることができました。
そこで携わった作品たちがこちら。
色んなジャンルのブックデザインを手がけていらっしゃいます。
こちらの青い表紙の『海藻』は、LIXIL出版のシリーズから興味深いテーマが展開されているシリーズ本で、中身は海藻の写真です。
技術的な詳しいことはわからないのですが、表紙のエンボスは、グロスPPを貼った上から箔押に使われた版を空押ししているのだそうで、この版は1枚の銅版を切り分けて押したものだそう。
かなり手の込んだ仕上がりになっていることだけは、確かです。
本の中身は、プロの写真家が撮影されたもので、とってもきれいなものばかりなんですよね。
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また、こちらの「幸福論」という書籍は、有名な古典を新しい装丁に作り変えたものです。
中味は6冊とも同じで、帯の色だけ変えて6種類つくったそうで、この写真以外にも白バージョンを加えた6種類があるそうです。
この書籍は、色ごとに1つずつ別のISBN(書籍の識別番号)をつけて流通させているそうですよ。
佐藤さんもすごいし、これを出版することを許可してくれた祖父江さんもスゴイなと思います。
ここまでは祖父江さんの「コズフィッシュ」時代のお仕事で、この後2014年に独立されています。
サトウカンサイ
コズフィッシュでの経験を携えて設立した佐藤亜沙美さんの会社が「サトウカンサイ」です。
ここでも、様々なジャンルの書籍の装丁やCDジャケットのアート・デザインを手がけていらっしゃいます。
パッと見は、同一人物の作品だとは思えないほどバラエティ豊かなものばかり。
沢山の作品がある中に、森山直太朗さんのCDジャケットなんかもありました!
まだまだ沢山の作品が、佐藤亜沙美さんの会社「サトウカンサイ」の中には沢山あります。
ホームページにUPされているので、覗いてみてくださいね。
⇒ サトウカンサイ
続いて、こんな佐藤さんを支える芥川賞作家のご主人滝口 悠生(たきぐちゆうしょう)さんについてもみていきたいと思います。
ご主人側から佐藤さんを見ていくと、ステキな人生のパートナーとして、奥様の佐藤さんを凄く大切に思っていらっしゃることが伺えるんですよ。
滝口 悠生さんプロフィール
プロフィール
- 名前:滝口悠生(たきぐちゆうしょう)
- 生年月日:1982年10月18日
- 生まれ:東京都八丈町
- 育ち:埼玉県入間市
- 職業:小説家
- 学歴:早稲田大学第二文学部中退
経歴と佐藤さんとの出会いと馴れ初め
*2000年:入間市立扇小学校→入間市立向原中学校→埼玉県立所沢高等学校卒業
*2005年、早稲田大学第二文学部入学(中退)
東京都八丈町(八丈島)で生まれた滝口悠生さんは、1歳半の頃に父親の仕事の関係で埼玉県入間市に引っ越して、ここでずっと育ちます。
校区内の小学校から高校まで進んだ後に、早稲田大学の第二部の文学に進学されるのですがこの間のブランクが5年。
この滝口 悠生さんが発行していたフリーペーパーがとの出会いが馴れ初めのようですね!
また、このフリーペーパーを読んだ人から声をかけられて自費出版の会社でアルバイトもするようになったとのことなので、もしかしたら、仕事繋がりで佐藤亜沙美さんの目に止まったのかもしれませんね。
ちなみにフリーペーパーの内容は、友達と博物館ヘかっぱのミイラを見に行く話など、日常をニーモアを交えて書いていたもののようです。
こうやって小説や人の作品に触れるようになったことがきっかけだったと思うのですが、本格的に小説を書きたい!と一念発起して進学を決意。
早稲田大学第二文学部に見事合格されています。
早稲田大学では、文学批評を学んでいたのですが、3年生の半ばで大学を中退して、食品会社に就職をして働いていらっしゃるんです。
これは、佐藤亜沙美さんとご結婚するためだったそうで、佐藤亜沙美さんの経歴にも滝口悠生さんの経歴にも、お子さんがいらっしゃるかどうかは書かれていないのですが、もしかしたらデキ婚なのかな?とも思いました。
多分、大学に進学・通学するために、滝口さんも貯めていたお金を入学金や授業料で消えてしまっていますよね。
苦渋の選択だったろうな、ともおもえたんですが、学校はまた行こうと思えばその時に行くことはできますけど、大切な人を手放してしまったら、過去の凄く遠い人になってしまて、元のような関係には戻すことは殆ど不可能に近いですからね。
きっと佐藤さんという大切な人との巡り合いがあっての、芥川賞の受賞だろうと思います。
1日中おなじ書籍関連のお仕事で、分野は違えども、同じ方向を向いて歩んでいける人生って、とてもステキでお似合いだなって思いました。
滝口 悠生さんの受賞歴
滝口 悠生さんの受賞に関しては芥川賞だけが大きくクローズアップされていますが、それ以前にも、栄光ある賞を受賞されているんですよ!
- 2011年:「楽器」で第43回新潮新人賞小説部門受賞
- 2014年:『寝相』で第36回野間文芸新人賞候補
- 2015年:『愛と人生』で第28回三島由紀夫賞候補、第37回野間文芸新人賞受賞。
- 2015年:「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」で第153回芥川龍之介賞候補
- 2016年:「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞受賞。
滝口 悠生さん出版書籍
滝口さんの代表作となったのは、昨年2016年に芥川賞を受賞した「死んでいないもの」。
かなり気になって、アマゾンで内容や口コミもチェックしてみました。
内容はお葬式を題材にしたもので、集まってくる親戚の人たちの人間ウォッチ的な内容になっています。
ただ、滝口さの作品「死んでいないもの」だけではなく、芥川龍之介賞の歴代作品も、ちょっと難しいというか重たい感じでサラサラと読めるような小説ではないものが多いですよね。
なので、この「死んでいないもの」の評価も、他の芥川賞の受賞作品と同じように、アマゾンの評価ではイマイチな感じでした。
この「死んでいないもの」よりも、芥川賞を受賞する前に出版されている本の評価のほうが高いようです。
また今年、2017年今年出版された「茄子の輝き」という本もなかなか良さそうですよ。
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まとめ
ここでは、ブックデザイナーの佐藤亜沙美さんと、芥川賞作家のご主人滝口悠生さんについて、プロフォールやそれぞれの作品についてまとめています。
お互いに、相手をおもいやりながらとても刺激し合えるご夫婦です。
そしてお二人の夢を諦めずに貪欲に追いかけていく姿は、潔いくらいにパワフルでカッコイイなとおもいました。
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